からあげ三昧

推しの話がしたい

Violet Phamtomのエモさを語りたい

 一年半にも及ぶ待ちぼうけ期が終わり、Color of Lifeが発売されましたが、いかがお過ごしでしょうか。私は未だ延々リピートのループから抜け出せていません。どの曲もびっくりするぐらい好きなのですが、中でも聴いた回数が特に多いのが、タイトルから分かる通り『Violet Phamtom』です。大阪での予約イベントで手がひりひりするぐらい拍手したのに聴けなかったフラストレーションから解放されたので馬鹿みたいに聴いているのですが、リピートし続けて数度目、「えろい」「むり」「すき」以外の感想が考えられるぐらい冷静になってからちゃんと歌詞の意味を考えてみたところ「あれ・・・?エモくね・・・?」となってしまい、語りたい欲が止まらないのでまたしても訳の分からん深読みブログを書いた次第です。言うまでもありませんが、以下は私の勝手な深読みです!!

 

Violet Phantom

Violet Phantom

  • 下野 紘
  • J-Pop
  • ¥250

 各所で語られているように、これは“嫉妬”を擬人化したストーリー調の楽曲で、『戦うべき相手は嫉妬の対象ではなく自分自身だ』というメッセージを持った曲です。つまり、『アイツ』=嫉妬=『俺』ということですね。(これは余談ですが、下野さんのソロ名義の楽曲で一人称が「俺」なのは多分初めてです。この一人称がこの曲の色気というか男らしさに一役買ってる気がします)舞台は恐らく西洋。夜な夜なマスカレード(舞踏会)が開かれる華やかな世界のようです。

神出鬼没なアイツが 不意に現れる

素性は誰も知らない ただ1つ解るコトは

“俺ヲ監視シテル”ということ それだけさ

 正体不明な『アイツ』が突然夜の街に現れる。そして、向こうは『俺』にずっとついてくる。

どれだけ駆けても どれだけ逃げようとも

振り切れずに踊らされる 歪なステップで

『俺』は逃げても逃げても振り切れず、動きを操られる。せっかくの舞踏会なのに、足をとられているのか歪なステップを踏まされます。人前で不格好な姿を晒して恥をかいたのではないでしょうか。

紫の煙に巻かれ 靡く群衆

混乱に乗じ 消える 奴はファントム

『俺』は『アイツ』の正体を暴こうとしますが、『アイツ』は紫の煙で周囲の全員を混乱させた隙に逃げてしまいます。

振り返れば 自問自答 奴の思う壺

また眠れず働く 損な役回りさ

 『俺』は『アイツ』の正体が気になって仕方がなく、眠れないほど悩まされます。しかし、それすらも『アイツ』の思う壺。悩み続ける日を続けたのち『俺』はついに『アイツ』と戦うことを決心します。

幕開けろ 競って オンステージ 派手な衣装で

お生憎 今日は本気さ 逃げ場はもうない

追い詰めろ スロウなカウントダウン 迫るクライマックス

瞬きも許されない さあ THE END

 また滑稽な姿を晒すことになるかもしれなくても、敢えて派手な衣装を身にまとい、ステージ上で『アイツ』を追い詰め、仮面を剥ぐことに成功します。

 

 物語は終わりを迎えたかと思いましたが、数年後、『アイツ』がまた街に現れます。今回出てきた奴は、ただ“不敵ニ微笑ム”奴で、またマスカレードで歪なステップを踏ませてきます。しかし、今回は『俺』は『アイツ』を追いかけたりしません。

紫の煙に巻かれ 靡く群衆

この街の闇 蹴散らせ 俺がファントム

そう、今回仮面を被っていたのは『俺』で、『俺』自身がファントムだったのです。

 

 では、ここで『アイツ』を本来の意味である“嫉妬”に戻して当てはめます。

 『俺』は自らの嫉妬心にずっと悩まされていました。嫉妬を覚えさせるような才能を持った人や、自分にできないことができる人から逃げ続けましたが、嫉妬心が消えることはなく、かえって恥をかいただけでした。

 その理由が知りたくて何度か嫉妬心と対峙しようとしましたが問題は解決せず、自問自答を繰り返す眠れない日々を送りました。

 しかしその後ついに決心し、滑稽な姿を晒すことは覚悟の上で嫉妬心と向き合いました。その結果、嫉妬は自分の中から生まれてくるものであったことに気づきます。走っても逃げきれないのも、常に見張られている気がするのも当たり前です。自分の中から湧いてくるものだったのですから。

 そこから数年が経過し、『俺』は忘れていた嫉妬心が蘇るような優れた人間に出会います。今回も『俺』は逃げても踊らされます。でも今の『俺』は昔とは違います。

いつからかあの仮面を被っていたのさ(後略)

この街の闇 蹴散らせ 俺がファントム

嫉妬心は自ら生み出したものだと受け入れ、この街の闇を蹴散らすために“利用”するのです。相手を妬むだけの感情ではなく、嫉妬を糧に、負けじと努力するように変わったのではないでしょうか。

 

・・・・・エモくないですか??!!!!!??

 これをエモいと言わずにどう表現したらいいのかわからないのですが、なんかこう、心にくるものがあります(語彙力が最悪)

 

 私が思う爆エモフレーズ第一位がこれです。

不条理なこの街で 生きるその為に

正しさじゃ語れない 知ってる それくらい

  不条理な世界で生きる為に、正しくないことも飲み込んで、心の中の嫉妬から目を逸らしながらも戦う。歌詞からわかるように、このときはまだ、自分のざらざらした感情がジェラシーだなんて認めたくないのに。しかも、戦いの場所に選んだのは逃げ場のないステージで、派手な衣装まで着て。

・・・いやエモいですよね??!!!!(同調を強要するな)

 

 まだ学校という社会からすら一回も出たことがない私には到底想像もつかないのですが、役者の世界って嫉妬渦巻くものなんじゃないかと思うんですよ。生まれ持った声質や滑舌、お芝居の才能だとかそういうどうしようもないことへの嫉妬だったり、それこそ何らかの不条理や納得いかないものへの漠然とした嫉妬だってあるはず。

 そんな醜い感情と向き合い、いかに受け入れて生きるか、自分の動力源に変えていくかを考えるのって、とんでもないエネルギーを使うことだと思います。予約イベントで下野さんが「この年になってようやく分かった」とおっしゃってましたが、正確な時期なんてもちろん知り得ませんし知る必要もないですが、本当にこの十年以上、抱えてきた感情なのかもしれないと思いました。

 

(追記:ラジオ『音鬼と井上麻里奈のH話』にて嫉妬心にまつわるお話がありましたね…。Violet Phamtom聴いて悶えきった直後に聴いたので死ぬかと思いました。ただ、同時に私の推測はそんなに間違っていなかったらしいと感じ少し安心もしました。私がこの曲をちゃんと聴いて最初にイメージした“嫉妬の対象”は梶くんだったので。

 あの霧のようなラジオが始まった当初からは信じられないくらい急成長する梶くんを下野さんはどう見ているんだろう、というのはずっと感じていたことでした。梶くんがアワードを獲ったり2人の知名度が逆転し始めたりした時期、何だかんだ負けず嫌いの下野さんに嫉妬が芽生えないはずがないと。実際、ラジオ内でも言及されてた気がしますし。でも、それを30代前半まで抱えていたとは…。あのラジオをやっていたのは2010年まで、下野さんがいわゆる30代前半と言える年だったのは…。時期についてこれ以上考えると泣きそうなのでやめますけど。

 全体的に悶え苦しむような話がたくさん聞けた番組でしたが、私がこのラジオで再確認できたのは下野さんのメンタルの強さでした。嫉妬を駆り立てる相手からは逃げたいに決まっているのに、ラジオもあるしアニメでもセット売りが続いて、ずっと側にいる状況でした。それを、何年もかけてうまく昇華した強さ。また、下野さんは梶くんに、すごくカジュアルに「君のこと好き」「君のこういうところが素敵」と伝え続けています。そして「君に嫉妬している」…。ここまで自分の気持ちを相手に言葉で伝えるのって難しいことだと思うんです、少なくとも私にはできません。嫉妬を語ることは、自分の弱いところを自分で声にして受け入れることですから。下野さんの強さって、タフな強さじゃなくて、折れてから耐え抜き、自力で立て直せる強さだと思います。)

 

 あと個人的には、身を焼くほどの嫉妬心にはまだ出会っていないであろう頃から好きだったというジャズにこの歌詞が乗ったのも激エモポイントなのですがどうでしょうか。

 たった一曲でこんな長い文章を書かせてくるColor of Life、恐ろしい。(お前が重いだけだよ)

 

 

Color of Life(通常盤)

Color of Life(通常盤)

 

 



 

 

全然『男子』じゃなかった「声優男子。」に寄せて

 

 「声優男子。2018 Winter」読みました。紙媒体は高い割に買っても数回読んで満足してその後は全く開かないことがほとんどなので買わないようにしていたのですが、フォロワーさんたちがあまりに大絶賛していたのでつい買ってしまいました。

  そして、結論:買ってよかった。

  ツイッターで感想(という名の興奮)をぽろぽろしようかなとも思ったのですが、140文字ではとても収まりきらずにTLを埋めてしまいそうだったので、宣伝も兼ねて、良かった点を並べてブログにしてみました。(いや誰がこんな個人的な感想読んで1400円出すねん)

 

 

 

 

声優男子。2018 WInter (ぴあMOOK)

声優男子。2018 WInter (ぴあMOOK)

 

 

 

写真が良い

 そもそも顔の造形が好きなので下野さんが映ってたら全部「顔がいい!!」って言うんですけど、この声優男子。さんは特に写真が良い。だって、下野さんが笑ってる。アーティスト活動関連のメディアでは“クールな下野紘”が表現されているので、下野ファンたちは「推しに笑って欲しい」という字面だけならとてもポエミーな願望を抱えているのですが、こちらの声優男子。、その願望が叶っているどころかチャームポイントの八重歯までしっかりと映っています!!やったー!!雑誌は買わないと数年前に決めた身として、一応ちょっと迷いながら(この時点でほぼ負け)アニメイトに行き、裏表紙の八重歯を見て「これは良い雑誌だ」と思ってレジに直行したのですが、正解でした。八重歯は正義。

 とはいえやっぱり顔が好きなので、クールな表情のページもめっっっちゃくちゃ好きでした。輪郭がきれい。前になんかの生放送で言ってた『カッコイイって言われる角度』をずっとやってるのも愛おしいポイント。ちなみに私は最初にパラパラっと見たとき、階段に座ってこっち見てるページを見た瞬間に喉から変な音が出ました。あと、常に短く整えられてる爪もしっかり映ってて素晴らしかったです。写真を見終わったら「何が男子や!!!オトナの男性やないか!!!」ってなるので買ったほうがいいです。

 

テキストが良い

 3ページいっぱいに書かれたインタビュー記事、とっても良かったです。私が、下野さんがアーティスト活動を始めてくれて良かったと一番思うのが、こういう『ひとりで話してくれる場所』を貰えたことです。個人ラジオもない、ブログの更新頻度も低い彼が自分の話だけをする機会はほぼないので、役や作品の話から離れて自分ひとりの話をしてくれるのが本当に嬉しいんです。そして、今回のインタビューでは、二年前の春に語ってくれた、アーティスト活動をする上での意志が変わっていないこと、そしてアーティスト活動を始めたことで下野さんに起きた内面の変化について知ることができました。

 下野さんのアーティスト活動の方向性に納得がいってないファンは結構いるんじゃないかと思うんです。正直、私も毎回多少不満があります。そもそも、声が高くてヘタレキャラを演じることの多い、よく笑う下野さんを好きになったファンたちが、「笑顔なし、革ジャンにバリバリのヘアセットでロックを歌う姿がツボだ!」ってことはそんなに多くないはずです。でもそれは当然で、しかも自分がどう振る舞えばオタクが喜ぶかをずるいくらい熟知している彼もそれを知っていると思います。私は最初にPVが公開されたときは戸惑いましたが、ずっと今の方向性のままだとしても絶対ついていこうと思っている理由は一つ、‐REAL‐のプロモーション期間に語られたこの言葉があるからです。

今までの“声優・下野紘”とは違う部分を、アーティスト活動では出していきたい

  下野さんは今までやってこなかったことをしようと、自分を変えようとしているんだから、『今までの下野さん』を好きになったファンがついていけていないのもまた当然のこと。そして、今回のインタビューでもこの言葉は繰り返され、『変わりたいという意志』が変わっていないことが分かりました。私は下野さんがやりたいと思ってやっていることはできる限り応援したいので、この言葉を下げずにいてくれるなら、その意志を語り続けてくれるならずっとついて行こうと思えます。

  また、インタビューの中で、何故変わりたいと思ったのか、その意志に従った行動の変化によって自身に起きた技術面と精神面の変化についても語ってくれています。・・・いや、だから!!!何が男子や!!!これは!!闘う男性だよ!!!

 何が言いたいのかわからなくなってきましたが、個人的には「今後も下野紘を推す理由」を再確認できたテキストでした。とりあえずもっと好きになるので買ったほうがいいです。

 

ポスターが良い

 表紙を開けると最初に下野さんのピンナップポスターが出てくるんですけど、わくわくして本を開いた瞬間に柔らかい表情でこちらを見つめる下野さんがいるのは非常に心臓に悪いので覚悟してください。私は恥ずかしくなって目を逸らしました。あとポスターに一言メッセージが入ってるんですけど、私は最初にその言葉を見て「好き・・・」となったんですよ。そしたら先述のテキストに下野さんがその一言を書いた時のことが書いてまして・・・「やだもうほんと好き・・・」となりました(なんの話や)。付録まで出来が良いので買ったほうがいいです。

 

   さて、こんな長い文章を読んでくれた数少ない方の中に下野さんのファンで且つまだ声優男子。を買ってない人がいるのか分かりませんが、気になった方はぜひ買って読んでください。ちょっと高いけど絶対買ったほうがいいです。あとお近くにアニメイトがある方はアニメイトで買うとめちゃくちゃ可愛い顔の下野さんのポストカードがついてくるのでもう実質無料どころかお年玉みたいな感じになります、ぜひそっちで!

 また、もしこれを読んで下野紘のアーティスト活動が気になったという方がいれば(おらんやろ)、今春に初のミニアルバムが発売されるので、是非そちらをチェックしてみてください。下野さん作詞曲もあるよ!

 

 

Color of Life(初回限定盤)(DVD付)

Color of Life(初回限定盤)(DVD付)

 

 

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!