愛に溢れた2時間でした。
下野 紘ライヴハウスツアー2018 “Color of Life”、名古屋公演に参加してきました。曲ごとの感想まで書いてると長くなりすぎるので、名古屋に関してはとりあえずMC中心に、個人的に思ったことだけ書いておこうと思います。
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まさかの10番台がプリントされたチケットを握りしめて立った最前上手側。目の前にある舞台を見つめている間、わたしは高揚というより不安で動悸が止まらなかったです。というのも、下野さん今めちゃくちゃ緊張しているだろうなと思って、それを想像しただけでしんどくなってしまって(笑)
大丈夫、わたしたちは何でも楽しめるから、と念じ続けて訪れた18時半。幕が数十センチ上がったところでわたしの位置からは、ステージの真ん中で目を閉じて立つ下野さんが見えました。
幕が上がりきる前にゆっくりと開かれた目は決意に満ちたかなり鋭い色をしていて思わず息を呑んだのですが、幕が下野さんの背より高く上がると、彼は安心したようにふわっと笑って。
この瞬間、先日の気まどうにあった『持ちつ持たれつ』を思い出しました。
読んだときは、わたしたちは楽しんでるだけなのになんでそんな風に言ってくれるんだろうと思ってたんですが、わたしたちが振るサイリウムが見えただけであれだけ強張っていた顔が綻ぶのだと思うと、ああ、本当にそうなんだってやっと分かりました。
そしてギターのイントロが響いて、「Black Thunder」、ぶっ通しのライヴの始まり。
緊張しいな下野さんが、まさか一曲目からあんなに楽しそうに歌ってくれるなんて。2曲目以降もそれはそれは楽しそうで、特にRunning Highは、わたしたちの声に嬉しそ〜〜〜〜にOKサインを出してくれる、それを見たわたしたちがもっと大きな声を出す、まさに相乗効果だな〜!と思いながら見てました。
さて、途中のMCでは色々楽しいお話があったと思うんですけど残念ながらほぼ覚えてないです。なぜなら、途中のファンとのやりとりにぜんぶ持っていかれてしまって…。だってファンの「愛してるよー!」の声に
「俺だって愛してるよ」
「愛してるから歌ってるんだよ」
なんて!!!!そんなん!!!
衝撃すぎて声も出ませんでした。もしこれが、低めの声でキメにきてる感じならいつも通り「ヒューー☆」ぐらい言えたと思うんですけど、あまりにも「当たり前じゃん(笑)」みたいな言い方をされるもんだから!!!もう!!!
だって、愛してるから歌ってるんなら、このライブの原動力ってわたしたちへの愛じゃないですか。
ウエストが締まったの目に見えて分かるぐらい筋トレして、忙しい中何度も何度も打ち合わせしてリハして、名古屋や大阪まで来てくれて、それらの原動力がわたしたちへの愛って、そんなことありますかね。
でも、そうなんだなって分かったんです。Ever RedとBlue Moonを見れば。Ever Redは家族愛を歌った歌ではありますが、だからこその優しい声色がとても素敵で。癒しの曲であるBlue Moonは言わずもがな、心に染み入ってくる歌声。そして、信じられないくらい優しい目でずーーーっと会場全体を見ていました。あの目を見たら信じざるを得ないというか…。いや別に疑ってるわけじゃないんですけど。あと自分でもよく分からないのですがここで初めて伊達くんがいないことに気づきました。注意力散漫すぎる。
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またMCの話に戻しますと、名古屋の下野さんは思ったことがそのまま口から出てきてるな…って感じでした。それこそさっきの「愛してるよ」以外にも、シンプルに語順がぐちゃぐちゃで何言ってるかわからなかったり、名古屋で「もう明日のこと考えてるから」とか言ったら名古屋しか来ない人は怒るに決まってるのに言ってブーイング食らったり(笑)随分と正直やなと思って見てました。そしてそんな正直な下野さんが、キンブレでいっぱいの会場を見て気持ちよさそうに、
「これがやりたくてやってきたんだ」
「ずっとこの景色が見たかったんだ!」
って叫んでくれて。
柵に寄りかかれる位置で本当に良かった。人って本気で驚くと体の力が抜けるんですね。
1月の記事でも書いたんですけど、わたしはずっと、下野さんがやりたいことなら応援しようと思ってアーティスト活動を見てきました。
でも、やっぱりずっと分からなかった。活動がどこに向かってるのかも、下野さんが具体的に何がしたいのかも、あんまり分からなかった。
それがこの日に、この景色が見たかった、という主体的な願望をやっと大声で言ってくれて。いつからそんな風に思ってたんだろう、いつから本当は歌だけで勝負したいと思ってたんだろう。
「バラエティコーナーばっかじゃないぞ!」
*1こう叫んだ声に、悔しさを晴らすような色を感じ取ったのはわたしだけですかね。わたしがずっと悔しかったからそう感じたんでしょうか。下野さんはライヴの初めに「今日は“可愛い”じゃなくて“格好いい”だから」っておっしゃってました。それ、最初からずっと意識してるワードですよね。今回やっとできると思ったから口に出したと思っていいですか。『新しい姿を見せる』って言ってたのになんだかんだほぼバラエティパートだったの、多少は悔しかったと思っていいですか。
これは勝手な想像なんですが、ライヴハウスでの景色が見たいという気持ちは、ソロの公演をいくつかやって、いろんな場所でいろんな音楽に触れたことで生まれたんじゃないかと思うんです。長い時間音楽と向き合うことで、気がついたら音楽だけで表現することがひとつの夢になってたんじゃないかと思うんです。
だとしたら、わたしはこの人の夢が叶った瞬間を見てるんだと思うと幸せでどうしようもなくて、彼を見ながらひたすら頷くことしかできませんでした。
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楽しい時間は信じられないぐらい早く過ぎて、あっという間にラスト2曲、まず「ONE CHANCE」。
絶対曲げぬ誓い ブレず 抱いて行こうぜ
醜い虚栄心(プライド)なんて 棄て去って
前へ 前へやがて REAL 以上に 輝きだすその瞬間
掴み取れ さぁ この手で ONE CHANCE
この歌に涙腺を刺激される日が来るとは思いませんでした。この歌詞とまさにリンクしたように感じてグッときてしまって。
ライブって名はついていてもバラエティコーナーばっかりだったのに、『新しい下野紘を見せたい』『ファンに恩返しをしたい』っていう誓いを曲げずにいてくれたから、私たちはREALのライブよりも強く輝く姿が見られた。彼は見たかった景色を掴み取れた。わたし本当に滅多に泣かないんですけど、久しぶりに目がうるうるしてしまいました。
そしてついにラスト、「Pleasure」。最後の歌詞がこうなんですよね。
舞い上がれ さぁ 果てしなく終わらない 歌を歌おう
咲き誇れ 一番大切なひとと ここからもっと
もう天才すぎやしませんか。そもそもこの曲自体がタオルぶんぶん振ってまさに叫び踊り、まだまだ終わりたくない気分にさせられる曲で、だめ押しで最後に『終わらない歌を歌おう』『ここからもっと』。
終わらないよね、って思えました。アンコールがあるとかまだ初日だからとかそういう意味ではなく、本当に次があるんだろうなって。MCで約束してくれたように、本当にまたこの地で会えるんだろうなって。
雑誌のインタビューでもおっしゃってましたが、まさにリスタートのライヴだったと思います。アーティストとして、まったく新しい始まり。
一気に可能性が広がったソロ活動の今後を、心から楽しみにしています。これからも、あなたの新しい夢を叶えるお手伝いができますように。
*1:訂正:バラエティコーナーばかりじゃないぞ、でした